「妹」 札幌市 松井 美香

 平成10年6月26日、私は交通事故で妹を失った。前日の夕方、学校から帰宅し、買い物に行った帰りの事故だった。妹はまだ17歳でした。
 これから沢山の人に出会い、沢山の楽しい事があり、いつか大切な人と結婚してと、いろいろとあっただろうに、一瞬で小さな幸せも全て奪われてしまった。

 私は妹と一緒にやりたい事が沢山あった。旅行に行ったり、買い物に行ったり、まだまだ一緒にいたかった。もう笑顔が見られない。声が聞けないと思うと涙が止まらない。
 交通事故で大切な人を失うなんて思いもしなかった。本当に突然だった。
 今でも、妹が「ただいま」と言って帰ってきそうな感じがする。

 私達は3人きょうだいで、私が一番上、真ん中が弟、そして一番下に妹の理恵。
 昔、私は、一人っ子にあこがれた。妹が生まれてこなければ、なんてことを思った事もあった。
 妹に、「お姉ちゃん、まだ一人暮らししないの? お姉ちゃんがいなくなれば、一人部屋になるのに」と、早く出ていけと言われた事もあった。

 普段は、口に出さないが、私は、妹が大好きだったし、かわいい妹だった。そして、妹がうらやましかった。なぜなら、私にはないものをすべて妹は持っていた。
 周りの人達に、妹に似ている、姉に似ていると言われると、お互いに「嫌だー!!似ていないし似たくもない!」と言っていたが、私は本当は嬉しかった。面長な顔に細くてきれいな指、優しくて誰からも愛される妹。私の自慢の妹。そんな妹が、先に出て行ってしまった。それも、二度と会うことの出来ない遠い所へ。

 まさか交通事故に遭うなんて、そして、逝ってしまったなんて、今だに信じられない。
 どこに行くにもついて来た妹。きっと、いつも側にいてくれていると、私達家族は思っている。

 交通事故というのは、みんな「他人事」と思っている事だろう。「自分は大丈夫」と思って安心してはいけない。自分や家族、自分の愛する人を大切に思うなら、交通事故は減ると思うし、無くなるのではないかと、私は考えている。自分が良ければと思う、それが交通事故につながっていく。
 もう、こんな悲しい思いは二度としたくない・・・・。