1 設立経緯

 悲惨な交通事犯で最愛の家族を失った遺族や、体や心に深い傷を負わされた北海道の被害者でつくる会です。
 道警交通部発刊の小冊子「癒されぬ輪禍」(1999年初版)の手記募集に応じた者の中から、道警の呼びかけで、発起人会が結成され、

  • 被害者どうしの相互支援と交流
  • 犠牲を無にせず交通死傷被害絶滅をめざす活動

という二つを目的に、1999年9月に発足しました。

 以来、道警および(一般財団法人)北海道交通安全協会の支援・助成を受けながら活動しています。
 現在の会員数は120家族(116事例)で、およそ7割が被害者遺族、3割が怪我をされた方や重篤な後遺症を負われた方のご家族です。

2 活動内容

(1)支援・交流

 会の運営について話合う世話人会(概ね月1回)や総会(年1回)後の交流学習会の機会を相互支援・交流の場と位置づけます。裁判についても、自主的に傍聴支援。弁護士、医師などを講師として学習会も実施しています。
 また、交流の核としての会報を年2回(1・8月)発行しています。(2019年までは年3回発行)

写真は、2019年5月の総会・交流会(2020、21年の総会はコロナ禍で開催出来ませんでした)

写真は、2019年5月の総会・交流会(2020、21年の総会はコロナ禍で開催出来ませんでした)

(2)交通死傷ゼロを願って

 被害の悲惨さと、かけがえのない命の大切さを訴えるため、発足以来体験講話の要請に応えています。2011年より犯罪被害者等基本計画に基づく「命の大切さを学ぶ教室」が始まったこともあり、中学・高校での回数が増えました。
 各種集会や少年院・刑務所での矯正教育も含め、2019年度は80回、受講者1万3千人。2020年度はコロナ禍で回数が減り、43回。2000年からの累計は1295回、受講者数は24万人を超えました。(うち中高生は576回、18万人 2021年3月現在)

写真は、会員の体験講話の一コマ

写真は、会員の体験講話の一コマ

 また、北海道共同募金会の協力も得て、いのちのパネル実行委員会が「いのちのパネル」と小冊子を作成。公共施設等で展示を行い、被害の実相と命の重さを訴えています。2019年度は23会場、延べ140日間展示でしたが、2000年はやはりコロナ禍で回数は減少(10会場40日)しました。2003年からの累計では410会場、延べ1818日間の展示。

写真は、札幌地下街オーロラスクエアでの「いのちのパネル展」(2020年11月13日)

写真は、札幌地下街オーロラスクエアでの「いのちのパネル展」(2020年11月13日)

「いのちのパネル」について詳しく見る

(3)フォーラム・交通事故

 被害者の視点から、被害者の尊厳と権利、および交通死傷被害ゼロを訴える「フォーラム・交通事故」を毎年開催し、関係機関や市民の方との連携を深めています。
 2009年からは、11月第3日曜日の「世界道路交通犠牲者の日」(ワールドディ)に連帯し、道や札幌市、そして民間団体の後援や協力を受け、「交通死傷ゼロへの提言・北海道フォーラム」として開催しています。

写真は2019年のフォーラム 「交通犯罪における被害者の尊厳を考える~基本法から15年の課題」と題して講演する諸澤英道氏

写真は2019年のフォーラム 「交通犯罪における被害者の尊厳を考える~基本法から15年の課題」と題して講演する諸澤英道氏

【参考】会報記事紹介「手記」「特集・コラム」等

(4)要請活動

 被害者の願いを21項目の「交通犯罪被害者の尊厳と権利、交通犯罪・事故撲滅のための要望事項」としてまとめ、内閣府、警察庁、法務省、国交省、厚労省に毎年提出。対道要請も行っています。