2025/11/15「世界道路交通被害者の日・北海道フォーラム2025 ~交通死傷ゼロへの提言~」開催報告

北海道フォーラム2025

 11月第3日曜日(11月16日)は、国連が2005年に定めたWorld Day of Remembrance for Road Traffic Victims(世界道路交通被害者の日 ワールドデイ)でした。
 北海道交通事故被害者の会は、今年もこの取り組みに連帯し、11月15日(土)、「世界道路交通被害者の日・北海道フォーラム2025」を主催しました。
 会場の札幌市中央区「かでる2・7」520 研修室には、市民と関係者、被害者の会会員など48人が集い、交通死傷ゼロへの誓いを新たにしました。
 以下、概要報告です。詳細については、2026年1月発行予定の当会会報73号にて報告します。

東京のWorld Day キャンドル集会

東京のWorld Day キャンドル集会

東京から、今年も東京タワーを背にした「World Dayキャンドル集会」の便り

 なお、「世界道路交通被害者の日・東京フォーラム」(小栗幸夫代表)は、今年も11月16日(日)18~19時、港区芝公園で、東京タワーを背にキャンドル集会を行っています。

※写真は、キャンドル集会を2013年以来継続して主催されている小栗幸夫さん(2009年と2013年の北海道フォーラムの講師)から送られてきたものです。

World Day of Remembrance for Road Traffic Victims(世界道路交通被害者の日)
「交通死傷ゼロへの提言・北海道フォーラム」に48人が集う
テーマは「生活道路30キロ規制の意義と課題Ⅱ」

日時:2025年11月15日(土)13:30~16:20
会場:札幌市中央区「かでる2・7」520研修室
主催:北海道交通事故被害者の会
後援:北海道、北海道警察、札幌市
協力:世界道路交通被害者の日・日本フォーラム、クルマ社会を問い直す会

北海道新聞 2025年11月16日

北海道新聞 2025年11月16日

第1部「ゼロへの願い」 被害者の訴え ~こんな悲しみ苦しみは 私たちで終わりにして下さい~

「ある日突然“犯罪被害者遺族”となって“息子の思いを生きる”私たちの人生」

札幌市 眞島 勝彦

眞島さんと会場の写真

 第1部の「被害者の訴え」では、「ある日突然“犯罪被害者遺族”になって“息子の思いを生きる”私たちの人生」と題し、15年前、交差点の横断歩道で、赤信号無視の加害者によって警察官への夢を絶たれた23歳の息子さんの無念を切々と訴えられました。

配布資料より

第2部「ゼロへの提言」
基調講演 「歩行者・自転車の被害ゼロへの確かな一歩を」

ハンプやソフトライジングボラード等が通常の選択肢になり、わが国の生活道路の安全対策が根本的変革を遂げつつあります。通学路や生活道路の重大事故ゼロに向けて、今こそ動き出しましょう

埼玉大学名誉教授 久保田 尚 氏

久保田 尚 氏

久保田 尚 氏

【講師プロフィール】
埼玉大学名誉教授、日本大学客員教授、専門は、都市交通計画、交通工学
著書(共著)に『改訂 生活道路のゾーン対策マニュアル』『改訂新版 読んで学ぶ交通工学・交通計画』など
交通安全の分野では特に生活道路の安全対策に取り組まれています

 第2部「ゼロへの提言」では、埼玉大学名誉教授の久保田尚氏が「歩行者・自転車の被害『ゼロ』への確かな一歩を」と題し基調講演。日本の交通安全の課題として、生活圏内の子どもや高齢者、歩行者・自転車の安全確保が第一に挙げられること、そのためにハンプやボラードなど物理的デバイスの有効性を実証事例とともに具体的に教示され、私たち会員はじめ、参加者の皆さんに深い感銘と指針を与えていただきました。
 参加者からは、
「実験的調査のお話、説得力がありました」「子どもと高齢者の事故の多さにはびっくりしました。全国的にハンプがこれほど進んでいるとは思いませんでした。日本には抜け道が多いですね。札幌でもがんばってハンプを沢山作ってほしいです」「通学路Vision Zeroの取組がとても参考になった」「ハンプやライジングボラードなど初めて知って、大変効果的だと感じ、今後沢山の場所に拡がって欲しいと強く思いました」「ハンプの速度制御効果が初めてわかりました」「ハンプ、ボラードを実際に設置するための具体的道すじ~行政と住民のワークショップの例など~が分かった」「ハンプやボラードなどの日本国内での設置例、効果などが具体的に分かってよかった。法の整備も進み国内の設置例も多く、道内のハンプの設置例もあるので、さらに増やしていけると感じた。ヴィジョンゼロをまず通学路に絞って実現して、さらに範囲を拡げていくという流れは、合意を作りやすい良いやり方と思った」
など、感謝の言葉が多数寄せられました。(後記の参加者アンケート参照)

 なお、久保田講演の詳細については、会報73号(2026年1月)にて報告予定ですが、本サイトでは、当日提示されたスライド画面(132コマ)を資料として紹介します。

講演のスライド・配布資料より

第3部「ゼロへの誓い」 関係機関より

 フォーラムのまとめとして、後援いただいている関係機関より「ゼロへの誓い」としてご発言いただきました。

  • 道くらし安全局道民生活課 交通安全対策課長 二瓶 友和 氏
  • 札幌市市民文化局地域振興部 交通安全担当課長 早坂 大介 氏
  • 北海道警察本部 交通部 管理官 藤原 学 氏

 三氏からの、交通死傷ゼロへの決意を込めた具体的で力強い言葉に、参加者は大きく励まされました。

「交通死傷ゼロへの提言」採択

 おわりに、主催者より「交通死傷ゼロへの提言」が提案・確認されました。

 私たちは、26年前の発足当初より、支援に関わる機関や団体そして道民の方が被害者を真ん中に置いて集い連携を深める市民参加のフォーラムを(コロナ禍の3年間を除き)継続して開催しておりますが、23回目となる、本フォーラムの成功を糧に、尊い犠牲を無にしないための交通死傷ゼロを求める諸活動をさらに前へ進めたいと考えています。

フォーラム開催案内チラシ

チラシ表面

チラシ表面

チラシ裏面

チラシ裏面