犯罪被害者週間全国大会2020~いのち、きぼう、未来~

※これは会報のPDFの記事をウェブページ本文として掲載した場合の例です。

第18回 ハートバンド全国大会

kaihou63_01 18回目のハートバンド全国大会ですが、本年はコロナ禍で、一堂に会することは叶わず、初のオンライン開催となりました。
 11月28日、都内の配信会場(写真)からZOOMとYouTubeを使って行われた「大会」には、沖縄から北海道まで、加盟団体および支援の方など約100名の方が視聴「参加」。
 北海道からは5名がリモート参加し、前田は開会挨拶、内藤副代表は第2部で発言しました。
 第1部の冒頭では、警察庁犯罪被害者等施策担当の西連寺参事官と支援ネットワークの奥山専務からは配信会場から、救援基金の黒澤専務からはビデオによるメッセージ、そして、4月に都の被害者条例を施行した小池東京都知事からもメッセージをいただきました。
 被害者の声は、2013年に当時15歳の娘さんを殺害された三重県の寺輪悟さんが、支援者の仲律子さん(みえ支援センター)との対談形式で、犯罪被害者の置かれている諸問題、三重県支援条例に結実したお二人の取り組みなどが語られました。
 続いて、上智大学伊藤冨士江氏の第4次犯罪被害者等基本計画の課題などの報告、各団体の活動紹介ビデオと続き、木下徹さんの「私の未来宣言」演奏で第1部を終えました。
 第2部は、分科会はできずハート・トークのみをウエビナー形式で行いましたが、オンラインだから参加できたという方もおり、13人(団体)の方が発言。コロナ禍の中でも支え合い工夫して活動継続していることなどが報告されました。
 このように、私たちは、困難な中でも「いのち、きぼう、未来」を合い言葉に、基本法の謳う被害者等の尊厳と権利回復のために、さらなる制度改善と国民理解の深化をめざす活動継続と次年度の再会を約し大会を終えました。

(前田)

ミニコラム
「ハートバンド全国大会」と「公費による犯罪被害者支援弁護士制度」

副代表内藤 裕次(弁護士)

1 「ハートバンド全国大会」は,十数年前に一度参加致しましたが,今回久しぶりの「参加」でした。

2 第2部では,参加者による発言の機会がありました。私は,法務省で検討中の「犯罪被害者支援弁護士制度」について,簡単に発言しました。
 そこで,以下,これについての現在の検討状況等について,ご説明したいと思います。

3 刑事事件において,被疑者・被告人には,弁護人を選任する権利があり,弁護人を選任できないときは,裁判所が国選弁護人をつけることになります。そして,ほとんどの犯罪については,弁護士をつけなければ刑事事件は進行しません。これに対し,被害者については,被害者を支援する弁護士をつけなくても刑事事件は進行することになります。

4 犯罪被害者にとっては,様々な支援策が必要ですが,刑事事件において容易にサポート体制にアクセスできることも必要です。そこで,日弁連犯罪被害者支援委員会は,平成29年の第60回人権擁護大会のシンポジウムで,「公費による弁護士選任制度」を提言しました。具体的には,被害者は資力(資産や収入)に関係なく弁護士に依頼できること,依頼できる内容は被害届の提出・検察審査会への申立・法廷傍聴の同行・犯罪被害者給付金の申請・報道機関対応など様々で,かつ,国選被害者参加弁護士の資力要件も撤廃するなどの内容をもつものでした。

5 その後,大きな動きはありませんでしたが,令和2年になって法務省は,「犯罪被害者支援弁護士制度検討会」を立ち上げ,令和3年1月25日現在,検討会が4回開催されており,議事要旨は法務省のホームページ(法務省、犯罪被害者支援弁護士で検索)に掲載されています。

6 検討会の中で議論されていることが「論点整理案」としてまとめられております。主な論点としては,「どんな活動について支援するのか」,「弁護士で無くても実施可能な手続も対象にするのか」,「資力要件をどうするか」,「犯罪被害者をどの時点で認定するのか」などが上がっていました。

7 今後どうなるかは不透明ですが,制度化された場合の弁護士側の課題も大きいと考えます。現状,犯罪被害者支援に熱心な弁護士の人数が少なく,限られた人数でどのように対応していくのか,どのようにして支援の裾野を広げるかが課題になってくると考えています。

(会報第63号 より)