「交通事故で亡くなったボーボー」 札幌市 T・N

 お姉ちゃん2人の次にやっと生まれた男の子。みんなの喜びは、それはそれは、大変だったよ。あだ名は、ボーボー。
 決して人より優れている所はないけれど、ノンビリ屋で、笑顔のかわいい男の子。お父さんとお母さんが、おじいちゃんとおばあちゃんになったら、ボクが面倒見るからネと言ってたよネ。
 でも、6年生のある日、突然ボーボーは、みんなの前からいなくなっちゃった。ほんの2時間前、「行ってきま-す」と手を振って行ったきり、いなくなっちゃった。「どこへ行ったんだよー」「夢でもいいから、帰って来てくれよー」

 ボーボーがいなくなって、みんなが毎日毎日、泣いて過ごしたよ。おじいちゃんは「かわれるものならかわってやりたい」と泣いていたよ。クラスのみんなも泣いたよ。でも、いくら泣いてもボーボーは帰ってこないネ。

 ボーボーがいなくなって9年目になるよ。今でもボーボーの話をされると、悲しくて悲しくてボロボロ涙が出てくるよ。何年たっても、ボーボーがいなくなった悲しみ、寂しさは、あの時と同じだよ。悲しいよー。悲しいよー。それからそれから、人並みに育ててあげれなくて、ゴメンネ、ボーボー。ゴメンネ。

 毎年ボーボーの命日には、クラスメートが来てくれるよ。みんなそれぞれ忙しいのに、ボーボーのために集まってくれて、近況を聞かしてくれるんだ。ボーボーのクラスのみんなに会えて嬉しいよ。今年は何人来てくれるかな。わが家では、ボーボーの命日が待ちどおしい日になったよ。ボーボーの友達に会えるから・・。

 「父抱いて、笑顔の写真卒業す」

 ボーボーがいなくなってから、お父さんは酔っぱらうと、男の子がいないからなァーと言います。寂しい顔をして・・・・。
 相手の方も、事故のため、離婚をして家の中がバラバラになったと聞いているよ。ほんの一瞬の出来事が、二つの家族の幸せを、吹き飛ばしてしまったよ。
 教習所の先生がおっしゃってたよ。「危ないと思ったら、ブレーキを踏んで下さい」と・・・。
 朝は、紅顔でも、夜は白骨となれる身です。
 ハンドルを握ったら、気をゆるめず、気持ちと時間に、ゆとりを持って、運転してください。どうぞ、どうぞお願いします。これ以上、悲しい家族が増えないことを願っています。